
カルビー株式会社 様多様な社内業務を効率化・最適化、
カルビー様独自の生成AI『CAL-GPT』開発
1949年に前身となる松尾糧食工業株式会社が設立され、1955年にはカルビー製菓株式会社へと社名を変更。そして、1973年に現在のカルビー株式会社(以下:カルビー様)として発足して以来、日本国内はもちろん世界のお客様に、半世紀を超えて多彩なおいしさや楽しさを届け続けているカルビー様。
近年はさまざまなDX化への取り組みを推進しており、その中でカルビー様オリジナルの生成AI『CAL-GPT(カル・ジーピーティ)』を開発。工場や各拠点、開発や営業、調達や品質管理など、あらゆる職種や現場で活用できる利便性の高いツールとして、徐々に定着してきているという。
SI&Cは、そのカルビー様の社内用生成AI『CAL-GPT』の開発・誕生に貢献。「トライ・アンド・エラーを繰り返しながら『CAL-GPT』の完成にSI&Cにはすごく寄り添って対応してくださった」と評価する稲手さん、稲垣さん、大田さんに、プロジェクトやSI&Cとの取り組みなどについてお話を伺った。
目次
クローズドな環境で便利で安全に活用できる、オリジナル生成AIの開発プロジェクトを推進
いち早く社内のDX化を推進してきたカルビー様の取り組みについて、情報システム本部 情報システム部 部長の稲手信吾さんに訊いた。
―当社は、トップダウンのDXであるS&OP(Sales and Operations Planning)と、工場を中心に自動化やデータ活用を進めるボトムアップDXを並行して進めています。私ども情報システム本部は、DXの基盤となる、ツール・データ・インフラ・セキュリティ、そして使う人も含めた環境を整え、発展させることを使命としています。
カルビー株式会社 情報システム本部 情報システム部 部長の稲手信吾さん
全社的にDXに取り組む中で、生成AIの利活用も推進することになったそう。
―2023年頃より『ChatGPT』などの生成AIの活用を推進する際に、従業員が安全に利用できるように法務部と協働してガイドラインを作成しました。
しかし、よりセキュリティ面を重視する必要がありましたので、クローズドな環境で活用できる、カルビーのオリジナル生成AIを開発しようとプロジェクトを発足しました。
プロジェクトの推進にあたり、カルビー様にとってパートナー選びも重要なポイントだったと稲手さんは話す。
―私たちにとって初となる取り組みで、何をどのように進めるかを探りながらのスタートでした。
クローズドな環境で従業員が手軽に生成AIを活用できることに加え、利便性やセキュリティ面など、あらゆる点で高いクオリティが求められました。その中で、すでにさまざまなプロジェクトで協働し信頼関係を築いていたソフトバンク様に相談したところ、技術力や経験値などの点でパートナーにSI&Cを挙げていただき、3社でワンチームとなってこのプロジェクトを推進することになりました。
そして2023年秋、カルビー様の各部署の方々の協力も得ながら、カルビー様オリジナルの生成AI、その名も『CAL-GPT』の開発プロジェクトがスタートした。
SI&Cとワンチームになって、トライ・アンド・エラーを繰り返す
カルビー株式会社 人事・総務本部 総務・給与部 総務課 課長の稲垣智高さん
―どのようなプロセスを踏みながら、どのようなスケジュール感でゴールを目指していくか、当初は不安を抱きながらのスタートでした。
こう話すのは、カルビー株式会社 人事・総務本部 総務・給与部 総務課 課長の稲垣智高さん。手探りながらも期待感も高かったと話す。
―最初は産みの苦しみと言いますか、トライ・アンド・エラーの繰り返しでした。
私自身も生成AIというものに詳しい訳ではありませんので、実務にどう活かしていくのか、どのようなドキュメントを読み込ませるか、回答の質や正確さをどう高めるかなどをSI&Cと一緒に試行錯誤しました。
大変ではありましたが、『CAL-GPT』はグループ全体の各所で使われるもので、実現すれば生産性も効率性も大きく向上させることができるため、期待値も大きかったです。
全社的な視座はもちろん、総務・給与部の視点からも実現したいことは多かったと言います。
―品質保証や消費者様からの問い合わせに対する回答などの情報に加え、総務・給与部としては従業員からの問い合わせに対する回答について、『CAL-GPT』によって効率化や最適化を図りたいと考えていました。異動に関わる問い合わせは、期首・期末に特に集中し、そうでない時期でも一定数は日々発生しています。
その際に、かつては回答者のキャリアなどによって返答内容にばらつきがあったのですが、『CAL-GPT』を活用することでさまざまな質問に対して均一にスピード感を持って対応できると、質問者にも総務・給与部にとってもメリットがあります。そういった狙いは多くありました。
稲垣さんは、さまざまなフェーズにおいてSI&Cに力になってもらったと振り返る。
―トライ・アンド・エラーの繰り返しでしたが、SI&Cは本当に丁寧に寄り添ってくださいました。
常に我々の想いをくみ取った具体的で幅広い提案があり、そのやりとりがより良いアウトプットに繋がっていきました。
情報システム本部の稲手さんは、SI&Cについてこう評価する。
―技術力の確かさと生成AIへの知見が高く、同時に、業務部門のメンバーに丁寧に寄り添ってともに課題に向かう進め方をしていただき、安心してお任せすることができました。『CAL-GPT』の実現に、本当に貢献していただいたと非常に満足しています。
そして、2024年6月。『CAL-GPT』はカルビー様の社内で公開され、活用されることになった。
各現場の多様な実務において、『CAL-GPT』は仕事をサポートする存在に
―『CAL-GPT』は現在、主に①一般検索②画像生成③社内文書検索で活用されていますが、活用法が分からずに利用されないケースもあったため、北は北海道から南は九州まで、日本全国の関係各所に足を運んでワークショップを開いて活用を促進しています。
大田さんは2025年4月に情報システム本部に配属となると、そこから『CAL-GPT』やDXの推進に向け、さまざまな現場に足を運んではニーズや意見を聞き、使い方や活用法の伝授に努めているという。
カルビー株式会社 情報システム本部 情報システム部 S&OP・IT活用推進課の大田怜実さん
―活用いただいてはじめて、『CAL-GPT』の良さが発揮されます。いろいろな現場から使い方が分からない、安全なのか不安といった声がありましたので、生成AIとは何かといった基本的なところから、具体的な使い方まで、実際に出向いて丁寧に説明することを重ねました。
『CAL-GPT』を身近なものに感じてもらえるよう、顔を合わせて丁寧に伝える、その地道な活動が功を奏していると実感しています。
現在はカルビー様の中で、さまざまな形で『CAL-GPT』が活用されているという。
―生産者様から『馬鈴薯(ばれいしょ=じゃがいも)に関する質問』が多くあるのですが、以前は個人ごとに国内外の文献を調べて情報を整理してお伝えするという流れでしたが、現在は『CAL-GPT』での検索でより簡潔に要点がまとまった形で情報を入手することができ、さらにはキャッチコピーなどを生成し魅力的に伝えることができるような機能も実装されています。
また工場や物流の現場には海外からの技能実習生が多く在籍しており、配布書類を簡単かつスピーディに各言語に翻訳・資料化して配布・掲示することができ、ムダな工数を減らすことに成功しています。
各現場の多様な実務において、『CAL-GPT』は仕事をサポートする存在になっていると大田さんは話す。
―ExcelやPower BIといったアプリケーションの使い方や、商品アイデアの壁打ち、何十枚にも及ぶ書類の要約、メール等の文面作成など幅広く活用され、私自身も日常的に活用しています。
先日生成AIに関する全社アンケートを実施したのですが、その集計の際にも大活躍でした。全社的に利用率も満足度も高まっていますが、もっともっと皆さんに活用いただきたいと思っているところです。
カルビー様では、2022年から毎年『DXカンファレンス』を開催している。グローバルでのDX活用事例の共有や、各部署でのDX推進をテーマにしたアイデアソンを実施し、優秀賞の表彰やそのアイデアを具現化する取り組みで、『CAL-GPT』の活用事例も共有され、現在はさらに社内に浸透し幅広い活用が期待されるフェーズになっているという。
これからのSI&Cに期待すること
DXを推進するカルビー様において、さらに従業員の皆さまの仕事を支え加速させる存在として進化し続ける『CAL-GPT』。これからの活用法やSI&Cへの期待などについて、最後にお一人ずつ語っていただいた。
■稲手信吾さん
「読み・書き・そろばん・生成AI」とスローガンを掲げ、当社の従業員が、Excelのようなふつうに仕事に使うツールのひとつとして『CAL-GPT』が存在します。
当社では2019年頃よりAI解析で品質チェックや需要予測などを行ってきましたが、継続することで精度は大きく向上しています。『CAL-GPT』もこれからさらに進化していくと思いますので、SI&Cには引き続き力になっていただきたいです。
■稲垣智高さん
SI&C、ソフトバンクの皆さんにはこれまでもしっかりとサポートいただていますが、強いて言えば今後はよりコンサルティング視点での提案も期待しています。
当社の担当者が常に生成AIに明るい訳ではないと思いますので、知見や技術的に牽引いただくことはもちろん、プロジェクトの全体を俯瞰しながら、マイルストーンを置き推進していく、そういったコンサル的な部分でよりアドバイスをいただけると投資に対するビジネス判断が可能になり有難いですね。
■大田怜実さん
SI&C様と当社業務部担当者のやりとりからも、本当に緻密な対策や細かなニュアンスの調整など、一つひとつを詳しく丁寧に対応してくださっていると実感しています。
現在もさまざまな現場から寄せられた声やニーズを明確に捉え、『CAL-GPT』の進化を支え続けていただいています。カルビーでは、若手も全社を巻き込んで活躍できる環境があり、私自身もさらに生成AIの基盤整備や活用推進に挑戦していきたいと思っていますので、引き続き寄り添っていただきたいです。
カルビー様のあらゆる現場を支え事業を加速させる『CAL-GPT』は、SI&Cと共にこれからさらに進化・成長していく。

- カルビー株式会社(本社:東京都千代田区)
ポテトチップスや「かっぱえびせん」、「フルグラ」などで知られる日本の大手スナック菓子・シリアル食品メーカー。1949年に広島県で創業され、日本のスナック菓子市場においてトップクラスのシェアを誇っている。
https://www.calbee.co.jp/









