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Leaders Talk 2025.05.26

Corporate Officer / Account Executive / Management Strategy Group Group Leaderの増田航太

SI&C Leaders Talk Chapter_03
あるべき姿を描き、そこに全力で向かう

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Corporate Officer / Account Executive / Management Strategy Group Group Leaderの増田航太

1980年に創業し、2024年に株式会社SI&Cとして新たな進化の過程へ。

これまでの知見や技術、そして風通しの良い社風を生かしながら、

新しく専門的な経歴や職能を有するメンバーも続々と加入。

そんなSI&Cを牽引するリーダーたちがこれまでとこれからを語る、

全8回のストーリー「SI&C Leaders Talk」。

3回目となる今回はCorporate Officer/Account Executiveで、

Management Strategy Groupのリーダーを務める増田航太が、

入社した2007年からのあゆみや昨年のMBOについて語る。

目次

ITのプロ集団として、
点を線に、線を面にしていく

元々は社員数数千名規模のIT企業に籍を置いていた増田航太。そこで幅広いプロジェクトを手がけ転職について考えたことはなかったと言うが、2007年にSI&Cの前身となる株式会社システム情報への入社を決意することとなる。その理由をこう話す。

 

「前職で規模の大きなプロジェクトに参画していたときに、SIerの一社がシステム情報でした。(Chap2に登場した)平出もそのメンバーの一人でしたが、仕事の質は高いし雰囲気も良くて、とても好印象を抱いていたんです。後日まったく関係のない別のルートから、『ある会社が上場に向けて人材を探しているから力になってくれないか』と話をいただいて、それが偶然にもシステム情報だったんです。好印象だった企業であり、またこれから上場というチャレンジのタイミングだったこともあって興味を抱いて、システム情報で自分も新しい挑戦をしようと決意したんです」

 

実際に入社すると、良い点も改善すべき点も見えてきたという。

 

「人の良さは自分が抱いていた印象通りで、仕事を真面目にしっかり遂行していくという風土が明確にありました。当時から技術力も確立されていましたが、それら一つひとつは“点”としては強力だったものの、今度はそれを“線”にして、さらには“面”にしていくことが不可欠でした。顧客の希望に応えながらも、より良い提案になるならば毅然と意志を主張しながら、ITのプロ集団として視座を広げていくことに注力しました」

 

そうした活動を地道に重ね、2013年にJASDAQ上場を果たすことになる。

 

「まさに第2の創業といった感じでした。従来のビジネスをどう洗練し拡張していくかや、企業価値をどう向上させていくかに向き合いました。上場のタイミングで外部とのつながりが一気に増加して、新規事業も続々と生まれたことを覚えています」

 

大きな変革に直面し、増田はトレンドの変化、IT活用の可能性など個人的にも追究するようになり、約10年後となる昨年のMBOは、このときの経験が礎になっていると振り返る。

 

「昨年にMBOを実現しましたが、大きなキーワードとしていたのが『バリューアップ』です。上場してからさらにITの変化が速くなって、またスピードだけでなく、変化の“質”もそれまでとは違うものになりました。それまでのITとは、人が何か行うことを支えるような存在でした。技術的な変革・進歩は著しいものがありましたが、どちらかというとバージョンアップのイメージが強かったんですね。しかしITそのものの使われ方が変わってきたんです。人と人の関係性をタイムリーに築いたり、AIで検知して人の命を救ったりとか…。サポートと言うよりも、人や暮らし、ビジネスや社会の中心になってきたんですね。そういった大きな変化を感じるなかで、我々自身を変革し続けなくてはならないし、価値を上げていかなくてはならない。自分たちも仕事の仕方、考え方、影響するものを変えていく必要があり、求められるスピードにも応えていかなければならない。そして選択したのが、第3の創業になるMBOだったんです」

明確なゴールはない、
あるのはスタートラインばかり

 

お客様へのシステム構成の提案に留まらず、そのシステムが誰にどのように貢献して、どのような価値を生みだしていくのか。課題を見極め、その解決にこだわり、ビジネスに寄り添い、お客様に“プラス”をもたらすべく、新たな取り組みがスタートした。

 

「会社をどう変革させるのかということについては、MBOの際はいわゆる下請け型のTier2から脱却し、エンドユーザーと直接的に関わるプライム型としてお客様に価値を提供していくことを重視しました」

 

その思いに共感しサポートに名乗りを上げたのが、世界最大級のプライベート・エクイティ・ファンドのベインキャピタルだった。

 

「企業のバリューアップに長けていることと、ベインキャピタルさんが日本のSIerに着目していたこともあって、タッグを組んで変革していくことになりました。MBO前後の社内の雰囲気は、変化に対する不安よりも、変えていかなくてはいけない、全員で変えていこうというマインドになっていました」

 

それまで40年を超えて、要求対応型のTier2で培ってきたモノづくりのケイパビリティを軸に据え、そこをさらに活かしていくための、上流に位置するコンサルタントの存在を具現化していった。

 

「ものづくりのチカラはありました。これからは有する技術や知見を組み合わせて、新たな価値やソリューションを生みだしていくマインドセットにしたんです。課題に対して足りないならばこれを加えるとか、これとこれを組み合わせて新たな解決法につなぐとか、元々お客様に『できません』という回答をすることは一切ない会社でしたが、点を線に、線を面にすることを総じて我々のものづくりと考えたんです。そうすることで、さらに提供できる価値やソリューションが拡大したと思います」

 

MBOから1年が経過し、確かな手応えがあると笑顔を見せる。

 

「お客様への新たな価値提供だけでなく、これからのSI&Cをリードしていく人材も豊富に揃い、次へと向かう環境が整ってきていると感じています。人事・評価制度も変えて個々のキャリアパスとリンクさせ、やりがいを持って仕事ができますし、現在は自分たちで決めた“あるべき姿”を体現していくフェーズに入っています。試行錯誤しながらですが押し進めていく、スタートラインに立っているイメージですね」

 

中学時代から陸上部に所属し中距離を走っていた増田は、高校になるとオリンピックの指導者の下、東京都大会で優勝し強化指定選手にまでになった。大学では機械・環境工学を学び「自分で限界を決めずに向き合っていくと、ダメだと思っても超えていけたり実現できたりすることが何度もあった」と、常に諦めずに挑むこと、また常に今がスタートであるというマインドが自然に身についたという。

 

「あるべき姿を描いて、そこに向けてひたすらギャップを埋めていく努力を惜しまないこと。変革を実現するには、本当にそれが大切だと思っています。SI&Cの変革も未知数ではありますが、その中で自分たちは変わっていくことを選びました。変革と言ってもドンと一瞬で何かが変わるのではなく、一つずつの地道な努力の積み重ねでしかありません」

 

その意味で、一歩一歩、着実に変化を重ねもたらしていける人材を求めている、と話す。

 

「今はこれしかないからできないと自ら制約をかけるのではなく、今は困難だけど本来あるべき姿を描きだし、そこに足りないことを分析して優先順位を付けて一つひとつ解決していく。与えられたり既存の物事に頼るのではなく、自分で常に何かに向かってスタートしていける人が、これからのSI&Cを担うのに合うのではないかと思いますね」

 

MBOを経て新たに次へと向かう環境が整いはじめ、増田にも次なる目標が見えているという。

 

「会社を大きくしていくよりも、SI&Cのポジショニングを変えていきたいんです。つまり、あらゆるエンドユーザーさんの選択肢に、SI&Cがある状態にしたいということ。大規模だったり難しいプロジェクトなどはTier1の企業が請け負うことが多いですが、コンサルティングからデリバリーまでワンストップでソリューションを提案・提供できるSI&Cが選ばれるようにしていきたいと考えています。さらに言えば、Tier1、Tier2という常識も変え、産業構造に一石を投じられたらと思っています」

 

自分たちのあるべき姿を描きだし、そこに全力で向かっていく。明確なゴールというものはなく、常にあるのは、“起点”だけなのだ。増田は今日もまた、新たなスタートラインに立っている。

 

 

※ベインキャピタル小島隆利氏インタビュー記事

https://community.siac.co.jp/all/interview/121.html